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井澤本家6

次はいよいよ、仕込みですね。

大きなタンクに酒母、麹、蒸米、水を入れてもろみを仕込みます。

仕込みは三段仕込み。

1日目(初添え)は、酒母を仕込みタンクに移し、そこへ麹、蒸米、水を入れて櫂棒で良くかき混ぜます。翌日は仕込みをお休みして、酵母をゆっくりと増やします(踊り)。

3日目に2回目の仕込み(仲添え)で、初添えの約2倍にあたる麹と蒸米と水を入れます。4日目に3回目の仕込み(留添え)で、仲添えの約2倍にあたる麹と蒸米と水を入れます。

3回にわけて仕込むことによって、雑菌の繁殖を抑えつつ酵母の増殖を促し、もろみの温度管理をしやすくしているんですね。

タンクの中では、麹がデンプンをブドウ糖に変化させるのと、そのブドウ糖を酵母が食べてアルコールを出す発酵が同時におきています(並行複発酵)。発酵の時、炭酸が出るのでタンクの中をのぞくと、泡がポコポコしているのが見れます。お酒が息をしているみたいですね。3~4週間かけて発酵します。

これは、搾り機ですね。

発酵が終わったもろみは搾り機でお酒と酒粕に分けられます。

搾られたお酒は、このきれいな瓶に濾過されます。

こうして、約60日をかけて日本酒は誕生します。

同じ銘柄でも、新酒と去年のお酒では味が違いますよ。飲み比べてみてはいかがですか?

カノ有名な中田英寿さんも、ここ井澤本家を訪れ、「倭小槌」を堪能されたとか。中田氏のお気に入りのお酒も紹介され、サインも飾られていました。

次へ続く…

井澤本家5

井澤本家のご紹介がしばらく止まってしまっていました。

まだ少し記事があるので、ご紹介をしますね♪

では、蔵に興味をもたれた方のために、もう少し蔵の中を散策してみましょう。

利き酒をしていた場所を一度出て、隣へ。

少し薄暗い、なんだか懐かしい感じのする通路?に入ると、足元に2本のレールが。

これは、その昔、物を運ぶために使っていたそうです。目を閉じて、耳を澄ますと、蔵人の声や荷を運ぶ音が聞こえてきそうですね。

さらに歩を進め、中庭を過ぎると木の扉があります。ここからが蔵ですね。

では、扉を開けて中に入ってみましょう。

ここは、製麹室(せいきくしつ)という、麹を作る部屋。

(すみません。写真はありません)

蒸米に黄麹菌を植えて麹を造ります。麹は酒母、もろみに入れて米のデンプンをブドウ糖にする役割をします。この部屋には乾湿計があり、温度28℃、湿度60%に保たれています。温度は黄麹菌が増えるのに適したもので、湿度はこれ以上高いと黄麹菌以外のカビや雑菌が繁殖してしまうので、しっかりと乾湿計で管理する必要があるのです。

「麹室は酒蔵の財産」と言われる所以がわかりますね。ここで、2日かけて麹を造ります。

日本酒造りは「一麹、二酛(もと)、三造り」と言われるように、「良い麹ができれば酒は七割できたも同然」という社氏や蔵人もいるくらいで、重要さがわかりますね。(酛=酒母、造り=もろみ=仕込み)

ここは、酒母室(しゅぼしつ)という、酵母を作る部屋。

(申し訳ありません。写真はありません。)

酒母は蒸米、水、麹に酵母を加えたもので、もろみの発酵を促す酵母を大量に増やしたものです。日本酒造りには、良い酵母が大量に必要なので、文字通り「酒の母」と言えますね。ここで、2週間かけて酵母を増やします。

次へ続く…

井澤本家4

東高OB・OGの皆様、こんにちは。

「会いたい先輩」です。

利き酒が終わって、良い加減に酔った私たちは、蔵の中へ招かれました。まだ今年の酒造りが始まっていない蔵の中は、とても静かで、樽たちが酒造りを今か今かと待っている気がしました。

ここで、またまたワンポイントアドバイス!

酒蔵を訪問する時は、前日~当日にかけて納豆を食べてはいけません。なぜ?それは、口の中、胃の中にいる納豆菌が息とともに外に出て、酒蔵の中にいる酵母菌を殺してしまうからです。井澤さんも、酒造りをしていない時にしか納豆は食べないそうです。これもおいしいお酒を造るための重要なポイントですね。

ここで、またまた疑問が。酵母菌と納豆菌を同居させたらどうなるか?皆さんは、どうなると思いますか?井澤さんに聞いてみました。納豆菌が酵母菌を食べてしまって、ぬるぬるした酵母菌になるそうです。恐るべし、納豆菌!

酒造りを待っている樽たちをのぞいてみました。樽の中に棒が1本出ています。これは、外から温度計を入れて、樽の中の温度を観察する棒だそうです。普通20℃に保ってお酒を造るのですが、大吟醸を造るには樽の中を60℃にしないと造れないそうです。この温度、発酵熱だけで上げるため、60℃にするには5週間かかるそうです。樽の傍には冷却機が置いてあって、温度が上がり過ぎないように気をつけているとか。

日ごろから、うまいうまいと何気なく飲んでるお酒ですが、今日、お酒のいろんな話を聞いて、今度からはちゃんとお酒を味わって飲みたいと思いました。

井澤本店の酒造りは12月からです。もう始まっていますね。酒造り過程の、醪がポコポコ言ってるところ(発酵)は一度見てみたいですね。

今夜は、お酒を楽しんでみてはいかがですか? (完)

井澤本家

http://www3.ocn.ne.jp/~izawa818/

兵庫県加古郡稲美町印南818 TEL:0794-95-0030 FAX:0794-95-3318

井澤本家3

東高OB・OGの皆様、こんにちは。

「会いたい先輩」です。

ここからは、ちょっと変わったお酒を利き酒しました。

6番目は「おりがらみ」。

日本酒造りには、

1.精米 2.洗米 3.蒸す 4.麹つくり 5.酒母造り 6.仕込み 7.発酵 8.搾り 9.濾過・火入れ・熟成

という過程があります。

このお酒は、発酵の終わった醪(もろみ)を搾った後に樽の底にたまる「おり」です。にごり酒です。 清酒は搾った後の上澄みですね。にごり酒は悪酔いしてちょっと苦手なんですが、「おりがらみ」は飲みやすく、やわらかい味わいでした。おいしかったですよ。

7番目は「荒走り」。

前述の「おりがらみ」と同様、搾りの過程で出来るお酒です。 このお酒は、搾りの最初に取れるお酒。搾りは布を使って醪をお酒と酒粕に分けるのですが、搾りの最初は澄んだお酒ではないんですね。 時間が経つと布の目が詰まってくるので、澄んだお酒だけが濾過されるんです。

ここで疑問が・・・

「荒走り」を取った「おりがらみ」と、取らなかった「おりがらみ」に味の違いがあるのか。 皆さんは、どう思われますか?

井澤さんにお聞きすると、味は違うのだとか。へ~、そうなんだ。と感心。でも、名前は同じ「おりがらみ」。

8番目は「にごり酒」。

前述2つもにごり酒でしたが、このお酒は、にごり酒を造る目的で粗い目の布で搾ったもの。

9番目は「倭小槌 純米 20年古酒」。

泡盛に古酒があるのは知っていましたが、日本酒にも古酒があるとは…。さぞかし熟成されておいしいだろうと、利き酒しました。ん?どっかで飲んだことのあるような…??そうか、紹興酒の味に似てるんだ。意外な発見でした。

10番目は「倭小槌 純米 5年古酒」。

ここまで来たら、飲んでおこうという事で、利き酒を。さて、味のほうは…。20年古酒に比べてまだ若い感じがする。(笑)そりゃそうだ。

次回は、井澤本家の蔵の紹介です。

[…]

井澤本家2

東高OB・OGの皆様、こんにちは♪

先週に引き続き井澤本家です。

2番目のお酒は「倭小槌 純米酒 ひやおろし」。文字通り米だけで造られたお酒。

みなさんは、日本酒にも四季があるって知ってましたか?熟成度合いによって、飲みごろの旬があるんです。

この「ひやおろし」は秋が最適。冬から春にかけて発酵の終わった新酒が、夏を越して秋になると日本酒本来の旨みが増し、まろやかに熟成した味わいになる。私たちが利き酒したのが11月末。熟成した「ひやおろし」に出会えて、うれしいです!

3番目のお酒は「倭小槌 純米吟醸 大地讃頌」。井澤さん曰く、エコ純米吟醸酒。

どこがエコかと言うと、玄米を精米してできる米ぬかを除草剤・肥料に利用しているところ。使用する米は自家栽培の山田錦。名前のとおり、大地の恵みを感じるお酒ですね。ふくよかな香りと、しっかりした酸を感じました。

4番目のお酒は「倭小槌 純米大吟醸 まごころ」。

ここまで来ると、ほろ酔い気分。お酒の量は少しずつなんですが、井澤さんのお酒のお話が面白くて…。お酒をちびちび飲みながらついつい聞き入ってしまい…。また、井澤さんが絶妙のタイミングで次のお酒を勧めるので…。取材を忘れて…。あ~、すみません。このお酒の説明が全くできません。気になる方は井澤本家へ。

気を取り直して…。

5番目のお酒は「倭小槌 大吟醸」。今までは純米酒でしたが、ここで吟醸酒を利き酒。

吟醸酒は醸造アルコールを少し加えたものを原料として造ったお酒。このお酒は、本当に飲みやすく後味がなめらか。お勧めの1本です。

次回は、ちょっと変わったお酒の利き酒です。

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井澤本家1

東高OB・OGの皆様、こんにちは。

今日から新コーナー、「会いたい先輩」が始まります。

記念すべき第1回目は、印南にある井澤本家の井澤孝泰(高22回)さんです。

井澤本家は、明治16年(1883年)創業以来、品質第一をモットーに、小さいながらも、大手蔵に桶売りすることなく、誠実な酒造りを続けてきた酒蔵です。

 

井澤本家と言えば、知る人ぞ知る銘酒「倭小槌(やまとこつち)」ですよね。ほのかな香りがあり、のどごし爽やかで後味の残らないスッキリしたお酒ですね。

初めてお会いした井澤さんは、とても控えめで優しい印象を持ちました。常にやさしい笑顔で佇んでいて、口数は少なめで、その場にすごく溶け込んでいて、この蔵の主なのにそんな感じじゃなくて…。この蔵の主は「酒達」なのでは?

今回は、そんな井澤さんから、利き酒をしながらお酒の説明をしていただきました。

井澤さんより、利き酒の1ポイントアドバイス!

利き酒にも飲む順番があるそうで、まず1番初めに飲むお酒が大切なんだとか。このお酒の味が基準になるからだそうで、井澤さんが出された1番目のお酒は「倭小槌 純米原酒生酒 まごころ」。豊岡・出石産の米(山田錦より早生で粒が小さい品種)を使っていて、普通お酒は米を75%磨いたものを使うのですが、この「まごころ」は磨きが60%と荒削りなお酒。生酒なので精製後に加熱処理がされていないのです。香りがふくよかで、味は辛口でした。

この後、少しずつ米の磨く率を上げていき、最後に9割磨いている米から造ったお酒を飲む。これがいいそうです。米の粒を磨いていって、中心の1割だけで作ったお酒。なんて贅沢なんだ!

では、そのお酒を飲むために気合を入れて、いざ次のお酒へ。

次回へ続く…

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